CRMのサンドボックスは、ワークフローや承認プロセス、ブループリント等に関する新しい設定を作成、テスト、そして既存の処理を妨げることなく本番環境に適用することができるユーザーのテスト環境です。
現在までは、1つのサンドボックス環境のみサポートされていました。
しかし、今回のアップデートにより、以下のサンドボックス管理権限が付与されます。
- 複数のサンドボックス環境の作成(CRMユーザー・開発者どちらも)
- 特定のCRM設定のみのサンドボックス作成
- CRMアカウントからサンドボックスへのデータ追加
複数のサンドボックス環境の作成
複数のサンドボックスを作成することで、様々な目的でテストを実施することが可能になりました。
例えば、営業チームがワークフロー専用にテストするためのサンドボックスを作成でき、営業マネージャーは専用のサンドボックスアカウントを使用してユーザーの権限や役割をテストすることができます。
また、マーケティングチームは、別のサンドボックス環境を使用して、最近開始されたキャンペーンデータをインポートのテストし、それをCRM内既存の各商談に関連付けることができます。
これらワークフローや管理、キャンペーンのためのサンドボックスは、組織内の異なるチームが、実際の設定を行う前にテスト、問題を特定し修正することができます。
必要に応じて、開発者やCRMにサンドボックスへのアクセスを付与し、テストを実施できます。CRMユーザーに共有されたサンドボックスは、自動的にアカウントのサンドボックス一覧ページに表示されます。
招待された開発者やユーザーには、サンドボックスのURLが彼らのメールアドレスに送信され、そのURLからサンドボックスにアクセスすることができます。
1つ以上のサンドボックスが共有された場合、ユーザープロフィール内のドロップダウンリストに一覧表示されます。ここから、簡単に複数のサンドボックスへの切り替えができ、「管理」オプションを使用して、特定のサンドボックスをデフォルトとして設定することができます。
特定のCRM設定のみのサンドボックス作成
以前は、デフォルトでサンドボックスアカウントでは全ての設定が可能で、ユーザーは特定の設定を選択してテストを行うことはできませんでした。
現在、ユーザーはテストを行いたい設定を選択することができます。
例えば、ユーザーに関する設定のみをテストするためには、サンドボックスを作成する際に、ユーザーと権限セクション下の必要な項目のみ選択することができます。
CRMアカウントからサンドボックスへのデータ追加
CRMデータはサンドボックス環境内で追加することができ、新規データを作成する時間を省いて、既存の顧客データを使用してテストすることができます。
CRMデータの追加は、サンドボックスアカウント作成時に以下の2つの方法にて可能です。
1.サンプルCRMデータの追加 - このオプションでは、見込み客・取引先・連絡先・商談・タスク・通話・予定・メモタブに10件のサンプルデータを追加します。
2.一部データの追加 - このオプションでは、最近作成されたデータを追加することで、アカウントのリアルタイムのデータを使ってテストすることができます。サンドボックスの作成時に、データを追加するタブと追加するデータ数を選択する必要があります。
選択したタブや必須と設定されている関連付けられているルックアップタブも追加されます。
例えば、見込み客と商談タブの最近のデータ100件を追加することができます、商談タブを選択した際、必須と設定されている関連付けられているルックアップタブの取引先も自動的に選択されます。このように、作成時にはこれら3つのタブの最近のデータ100件が追加されます。
サンドボックスが再構築されるたびに、追加されたデータは新しく再読み込みされます。
また、追加されたデータに対し行われた変更は、本番環境に対し移行できません。
上記のアップデートに加えて、UIの変更に関する変更は以下の通りです。
1.サンドボックスは、詳細が分類され、変更数・アクセスできる人・作成日・ステータスとして表示されます。
2.サンドボックスの有効化/無効化を切り替えられるステータスのトグルボタンが導入されました。これは、サンドボックス設定ページにある「無効化」ボタンに追加されるものです。
3.「サンドボックスの更新」ボタンが「サンドボックス(テスト環境)の再構築」へと名称変更されています。
追記:
サンドボックスの次回アップデートでは、複数のサンドボックスのデプロイメントログを1つにまとめ、ひとつのビュー内に表示する作業を行っています。
上記につきましては、今後お知らせいたします。
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