複数のスコアリングルール機能において、Ziaスコアを含む新たなスコアリング要素を追加することで、スコアリング機能が向上しました。
これらの新しい要素は、従来のスコアリング要素を強化するもので、異なるコミュニケーション経路の基準を含むため、顧客の行動に関する分析情報をより深く掘り下げることができます。
今回のアップデートでは、Ziaを通じて顧客の声分析データを取得し、印象、意図、競合他社の言及などに基づいてスコアを割り当てる機能を導入されました。
さらに、Ziaスコアの大幅なアップデートも導入されました。 Ziaスコア機能は、他のスコアリングルール機能と統合され、すべてのタブで自動化機能のトリガーを設定するために使用できます。
今回のアップデートについて
- 「自動化」設定内の「スコアリングルール」に、「手動スコア(Manual Score)」と「Ziaスコア(Zia Score)」が追加されました。この新しい顧客体験より、標準スコアとZiaスコアの両方が同じカテゴリー内に置かれ、すべてのスコアリング要素を簡単に扱うことができます。

- 「手動スコア(Manual Score)」を使用することで、行動やその他の重要な詳細情報を考慮したスコアリングルールに従って見込み客を評価できます。
以前は、スコアリングルールの要素や条件の数はかなり限られていました。今回、より強固なスコアリングを実現するため、利用可能なチャネル、要素、条件の演算子を増やしました。
スコアリング設定画面では、有効化されている機能と連携に対してのみルールを定義することができます。

- 「Ziaスコア(Zia Score)」には、反応のスコア、フォローアップのスコア、項目の属性のスコア、変換のスコア、関係性のスコアなど、さまざまな種類のスコアが含まれるようになりました。これにより、自社のプロセスに合わせてスコアリングの仕組みを調整することができ、意思決定と結果予測を強化することができるようになりました。

この機能により、ZiaのAI主導の分析情報がすべてのタブに拡張され、Zoho CRMの多様なビジネスニーズへの適応性が向上します。
以下、「手動スコア(Manual Score)」と「Ziaスコア(Zia Score)」機能の詳細をご紹介します。
手動スコア(Manual Score)
利用条件
データセンター:すべてのデータセンター
プラン:エンタープライズプラン、アルティメットプラン
注意事項:
- 顧客の声分析ダッシュボードは、15以上のユーザーライセンスを持つエンタープライズ、アルティメット、Zoho CRM Plus、およびZoho Oneプランの組織がアクセス可能です。早期アクセスは、EU(ヨーロッパ)、AU(オーストラリア)、IN(インド)、US(米国) データセンターに属する組織に対し開放されています。そのため、顧客の声分析機能はこれらの組織のみが利用できます。
- Ziaの通話分析機能にアクセスできるのは、US(米国)、EU(ヨーロッパ)、IN(インド)、CA(カナダ)、SA(サウジアラビア)データセンターに属する組織のみです。そのため、通話分析機能に関するスコアリング要素は、これらのデータセンターのみで利用できます。
- 複数のスコアリング機能には、顧客の声分析が(条件設定用の)経路として追加され、顧客の声分析に基づく条件やポイントを設定することで、各データのやりとりをより深く理解できるようになりました。

- Survey、メール、Desk、通話、ソーシャルメディアなどのいくつかの経路に、顧客の声分析を通して取得される印象、感情、意図、分析情報などのAI要素を追加しました。これにより、従来のCRM指標には顧客の声分析データが欠けていたという点が改善されました。

スコアリングルールには、特定の時間枠に対する条件の設定、数値の確認など、条件の演算子オプションが追加されています。例えば、過去20日間に通話した人に10ポイントを追加することができます。
演算子は、加算または減算されるポイントに対して、ルールがどのように動作するかを決定します。
- 混乱を避けるため、メール情報とメールに関する分析情報に記載されている要素を1つの経路:メールにまとめました。

それぞれの経路に関する新しい条件要素については、以下の表をご参照ください。
経路 | 新しい条件要素 |
メッセージアプリ | 受信メッセージ |
SalesIQ | チャットへの対応漏れのたび
|
通話 | 通話の発信のたび 通話の応答 通話の応答漏れ 通話の着信 通話の不在着信通話時間 印象(顧客の声分析) 意図(顧客の声分析) 感情(顧客の声分析) キーワード(顧客の声分析) |
Desk | 新しい問い合わせの受信 問い合わせ対応への評価 問い合わせのエスカレーション 新しいコメント 新しい返信 問い合わせの遅延 新しいメンション 印象(顧客の声分析)意図(顧客の声分析) キーワード(顧客の声分析) |
メール | 返信メールの受信の合計 各競合他社への言及(顧客の声分析) 言及された競合他社の件数(顧客の声分析) キーワード(顧客の声分析) 印象(顧客の声分析) 意図(顧客の声分析) 感情(顧客の声分析) |
Survey | キーワード(顧客の声分析) 印象(顧客の声分析) 意図(顧客の声分析) |
顧客の声分析 | 対象データから読み取れる印象 対象データから読み取れる意図 対象データに関するキーワード 各競合他社への言及 言及された競合他社の件数 顧客の解約 |
商談の分析(顧客の声分析) | 受注 失注 |
注意事項
- スコアリングルールを設定できるのは、通話と顧客の声分析機能を除き、連携が有効になっている機能のみです。
- スコアリングの条件を満たす新しいデータは、無効化されたスコアリングルールの影響を受けません。
- スコアリングルールでシグナルが無効になると、その特定のシグナルに関連するデータや分析情報はスコアリングの計算に寄与しなくなります。
- スコアリングシステムは、各顧客の最新の活動とエンゲージメントに基づいて、データのスコアを継続的にリセットします。これにより、データのスコアが最新であり、顧客との最新のやりとりが反映されていることが保証されます。
- ルール設定に「過去15日間」のような期間基準の要素が含まれている場合、古いデータはデフォルトで自動的に更新されます。
Ziaスコア(Zia Score)
利用条件
データセンター:すべてのデータセンター
※現在、US(米国)データセンターのみに適用されています。今後他のすべてのデータセンターにも適用予定です。(2025年7月4日時点)
プラン:エンタープライズプラン、アルティメットプラン、Zoho Oneプラン、Zoho CRM Plusプラン
続いて、Ziaスコア機能のアップデートについて詳しく紹介します。
これまで「レコメンデーション」下にあった「Ziaスコア」は、「スコアリングルール」下に移動しました。ルールを作成する際に、手動スコアまたはZiaスコアのいずれかを選択できる「種類」項目を導入しました。
Ziaスコアの種類について
Ziaスコアは、5種類に分類されます。
- 項目の属性のスコア
このスコアは、選択したタブの項目とデータ内の詳細に基づいて自動的に計算されます。これらのカテゴリーで提示されたデータの関連性、完全性、正確性が評価されます。 - 変換のスコア
カスタマージャーニーに基づくユースケースを持つタブ(見込み客や商談など)の場合、顧客の変換スコアは、選択されたすべての関連タブのデータから情報を取得して作成されます。 - 反応のスコア
このスコアは、選択された関連タブのデータ(通話、メール、予定)を使用します。顧客の反応スコアを決定するには、受信シグナルから得られる顧客の関心度を考慮する必要があります。 - フォローアップのスコア
営業担当者のフォローアップのスコアは、フォローアップコミュニケーションや活動の適時性、関連性、影響力を評価します。 - 関係性のスコア
このスコアは、データの決定的なジャーニーに依存しないタブ用です。購入された商品や商談、行われたコミュニケーション、送信された問い合わせ、取り組んだキャンペーンなど、あらゆるタッチポイントが考慮されます。また、顧客エンゲージメントやユーザーフォローアップのやりとりも考慮されます。
学習データについて
学習データによって、理想的なデータと理想的ではないデータを比較し、それに応じてスコアを割り振ることで、Ziaは意味のあるパターンを特定することができます。このような条件(=学習データ)をデータに設定することが重要である。学習データは、変換のスコアおよび項目の属性のスコアを生成するための必須条件です。
制限事項
- 「Ziaスコア」は、古い(=既存の)データには自動的に適用されません。Ziaスコアを有効にした後、そのデータが編集された場合にのみ、既存データに適用されます。
- 「手動スコア」そのルールを新しいデータのみに適用するか、古いデータにも適用するかを確認するポップアップが表示されます。「Ziaスコア」の場合、デフォルトではルールを作成した翌日以降に追加されたすべての新規データに適用されます。
- エンタープライズプランでは、1つのCRMアカウントにつき5つのスコアリングルールが上限となります。
- アルティメットプランでは、1つのCRMアカウントにつき10スコアリングルールが上限となります。