この機能アップデートは、すべてのユーザーに適用されています。
今回、データ分析およびレポート作成におけるユーザーエクスペリエンスを向上させる機能アップデートがありました。これらのアップデートにより、CRMのデータをより深く掘り下げ、より有意義なデータに関する洞察を引き出し、意思決定プロセスを最適化することができます。
以下、今回のアップデートの詳細とビジネスへの実用的な影響をご説明します。
- エクスポートの制限数の増加
- ユーザーのエクスポート権限の追加 - レポートのメールテンプレート
- グループ化オプションの追加
- 「年の月別」単位の設定
- 「月の日別」単位の設定
- 行/列のグループ化形式の追加 - テキストの折り返しオプションの追加
- その他の機能アップデート
- 列幅の自動調整
- 役職に関するフィルターの追加
- 項目の全選択オプションの追加
エクスポートの制限数の増加
以前の制限について
これまでZoho CRMでは、データ数最大50,000件の詳細レポートを5回までしかエクスポートできませんでした。
今回新しく設定された制限について
ユーザーからのフィードバックと、データ管理におけるより柔軟な対応への要望の高まりを受けて、Zoho CRMはこれまでの制限を撤廃した、より強化されたエクスポートオプションを導入しました。
これにより、組織全体で1日あたり200回まで、詳細レポートをエクスポートできるようになり、より大量のデータを処理できるようになりました。
(アルティメットプランをお使いのユーザーのみ、1日あたり300回のエクスポートが可能です。)
ユーザーのエクスポート権限の追加
レポートタブの権限として「エクスポート」権限を追加しました。これにより、管理者が機密情報のエクスポートを制御できるようになり、データセキュリティとプライバシー管理が強化されます。また、不正なデータアクセスを防止できます。
レポートのメールテンプレート
今回の機能アップデートにて、受信者それぞれのニーズに合わせてメールの内容をカスタマイズし、パーソナライズされた定期レポートを送信することができるようになりました。
例えば、営業マネージャーが週次の営業実績レポートに関するメールテンプレートを作成することができます。このテンプレートを使って、マネージャーは毎週月曜日の朝に営業チームにレポートを送信するよう設定します。これにより、すべての関係者が販売指標に関する最新情報をタイムリーに受け取ることができます。
メールテンプレート内で差し込み項目を活用することで、受信者名、レポート名、レポートのデータID、売上数値などの動的なデータ詳細を含めることができます。このカスタマイズにより、個々の受信者にとってより適切なものになります。
定期レポート用のメールテンプレート
定期レポートのメールテンプレートも選択できます。
グループ化オプションのアップデート
「年の月別」の設定
月ごとにデータをグループ化できるようになり、長期的な傾向分析が容易になりました。
これまでは、日付または日時項目の「年月別」によってデータをグループ化することができました。例えば、2024年の3月中のデータはすべて「2024年3月」に分類されます。しかし、この方法では特定の月のデータを分離することは難しくなります。
「年の月別」というグループ単位を導入することで、ユーザーは年に関係なく、特定の月に発生したすべてのデータをまとめてグループ化することができるようになりました。これにより、過去5年間でどの月が最も高い収益を上げたかを簡単に特定できるようになり、長期的な傾向分析においてより柔軟性が高まります。
作成例
新しい「年の月別」単位機能により、新規顧客数の前年比を月単位でグループ化したり、収益の前年比を月単位で比較したりできるようになり、長期的な傾向の分析が簡単になりました。毎月の収益をより明確に把握することで、より効果的にユーザーのニーズを満たすために、提供する製品を改良し、マーケティング戦略を最適化することができます。
以下は、過去2年間の収益を「年の月別」に比較した例です。
また、このレポートのグラフを作成し、両年の収益を明確に表示することもできます。
「月の日別」の設定
日ごとにデータをグループ化することで、レポート内でより詳細な日次分析を行うことができます。
新しい「月の日別」単位の機能により、データを日ごとにグループ化できるようになり、レポート内での詳細な日次分析が可能になりました。これにより、使用量のピーク日の特定、使用量の異常の検出、1つのレポートでの連絡先すべての誕生日の表示などが可能になります。
同じデータを棒グラフで表示することで、傾向、異常などを簡単に特定することができます。
行/列のグループ化形式の追加
これまでZoho CRMのレポートタブでは、2(行)x2(列)のグループ化しか対応していませんでした。
今回の機能アップデートにより、3x1または1x3の組み合わせに基づいて行/列をグループ化することができます。
テキストの折り返しオプションの追加
以前は、詳細情報項目の値が長すぎる場合、1 行で表示され、カーソルを合わせると全文が表示されていました。「テキストを折り返す」オプションを有効にすると、詳細情報項目値は折り返されて表示されるようになり、カーソルを合わせる操作をしなくても長い値が完全に表示されるようになりました。
その他の機能アップデート
列幅の自動調整
システムにより、レポート内の内容に基づいて、列のサイズが自動的に調整されるようになりました。固定幅の列を持つ代わりに、動的な列幅により、列は必要に応じて拡大/縮小し、含まれる内容に対応します。この機能により、データの表示を最適化し、すべての情報が表示されるようになり、利用可能な画面スペースを効率的に使用できるようになります。
留意事項
表示形式レポートのエクスポートを行う際、PDFおよびXLSX形式のみで自動調整された列幅にてレポートがエクスポートされ、CSV形式では、自動調整された列幅でのエクスポートはできかねます。
役職に関するフィルターの追加
各ユーザーに割り当てられた役職に基づいてレポート内の条件を設定できます。この機能により、レポートを確認するするユーザーの役職に基づいて、レポートデータがフィルタリングまたは制限されます。
例えば、レポートにアクセスするユーザーの役職に関連する見込み客または販売データのみを表示するようにレポートを作成することができます。異なる役職を持つユーザーは、異なるデータセットを見ることができ、各自の役職に関連する情報のみにアクセスできるようになります。
項目の全選択オプションの追加
項目の全選択オプションにより、タブ内のすべての項目を選択したり、shiftキーの押下・項目のクリックを組み合わせることで複数の項目を選択することができるようになりました。