この機能アップデートは、現在、以下のCRM組織に対して適用されています。
ユーザー数と対応プラン:ユーザーライセンス数が5件以上で、エンタープライズプラン以上のプランをお使いの組織
データセンター:US(米国)、IN(インド)
言語:英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語
(2025年11月4日時点)
今回、顧客の声分析分析機能に関するアップデートがありました。以下、ご紹介いたします。
消費者はあなたのビジネスについて話しています。あなたはその声に耳を傾けていますか?
- 顧客がフォーラムで製品を称賛しているかもしれません。
- 不満を抱えたユーザーが公開サイトで辛辣なレビューを投稿しているかもしれません。
- パートナーがキャンペーン活動についてコメントしているかもしれません。
- 分野の専門家が製品を分析しているかもしれません。
- 見込み客が、実際の問い合わせ前に、価格について問い合わせようとしているかもしれません。
あなたのビジネスに関するこのようなやりとりは、現実的に起こっていることです。
しかし、多くの企業では、顧客の声を分析するために、アンケート、サポートへの問い合わせ、メールといった既知の情報源からの反応のみに依存しています。
これらは真実ではありますが、こうした直接的な回答は目的が限定されることが多くあります。つまり、サポートへの問い合わせは特定の問題に、メールはその文脈に、各アンケートの回答は選択肢にそれぞれ制限されるのです。
これらはフィードバックの一例ではありますが、顧客体験の全体像を捉えるものではありません。
顧客体験の全体像を把握するには、ビジネスの範囲内外からインサイトを得られる仕組みが必要です。
そのため、Zoho CRMでは、前回のアップデートにて、そのような情報をデータ元として活用する機能を導入しました。
これにより、顧客のレビューを保存するタブをデータ元として関連付け、外部からの顧客レビューも顧客の声分析に含めることが可能になります。
ただし、顧客の声は顧客だけに限定されるものではありません。貴社を知ろうとするすべての人々に適用されるものです。
そのため、今回、連絡先として登録されていない対象者(=「匿名の回答者」)から寄せられたコメントを追跡する機能を導入しました。
これらのレビューや回答を収集し、顧客の声分析にインポートする方法は複数あります。
以下の図ではその一部を示しています。
匿名のレビューを活用することでビジネスにどのような効果をもたらすか、いくつかのユースケースを通じて理解しましょう。
市場動向の把握:価格設定とポジショニングの決定
例えば、あなたがベイエリアの高級物件を扱う不動産仲介会社を経営しているとします。市場に独自の物件を投入する前に、市場の関心度を計測・顧客の期待値を評価し、価格設定とポジショニング戦略を決定したいと考えています。そこで、動画配信プラットフォームに数件の広告を掲載し、自社Webサイトで匿名アンケートを実施します。
これらのレビューを顧客の声分析にかけることで、市場における印象、一般的な期待値、意見などを特定できます。これにより物件掲載前に適切なメッセージング戦略やポジショニング戦略を構築する機会が得られます。
市場ニーズへの対応:トレンド情報を収集
例えば、多様な旅行パッケージを提供するビジネスを展開しているとしましょう。季節限定パッケージに加え、ソーシャルメディア上でのやりとりやエンゲージメントデータに基づき目的地に関する情報を収集します。顧客ではないフォロワーからのコメント、DM、ハッシュタグ、メンションをCRMに取り込み、提案された目的地情報を収集、感情や意図を特定し、評価することで、市場が自社に何を求めているかを判断できます。
発売前での製品需要の評価
企業は、市場が示す受容度に基づき製品需要を予測できます。キャンペーン、アンケート、ブログなどへの反応を活用し、顧客と市場における購買意欲のレベルを比較できます。これにより、生産計画の立案や予約受付の開始などが可能となります。
見込み客からのインサイト収集
市場と自社ビジネスの間には、購入決定前に製品を試す見込み客が存在します。見込み客が製品と関わる中で意見を形成し、そのフィードバックは自社ではまだ発見されていないインサイトをもたらします。これらのインサイトを顧客や市場の調査結果と比較し、改善策をロードマップに組み込みながら、見込み客を顧客へと変換する過程で製品の顧客体験を継続的に評価・向上させるのに役立てられます。
ブランドのレビュー分析
パートナーや販売代理店などは、現地市場において貴社ブランドを代表する存在です。これらの顧客からのレビューを顧客の声に集約し、総合的な顧客体験分析を実施できます。
これらの情報源は、外の世界に存在すると気づかなかった豊富なインサイトを提供します。
これらのレビューを活用することで、以下のことが可能になります。
- 見込み客の期待、懸念、疑問を、商談の段階に入る前にシステムに取り込む。
- 市場が自社と競合他社をどのように比較しているかを把握する。
- 見込み客と顧客が自社についてどのように述べてるかを比較する。
- 顧客の離反リスクを評価し、結果を予測する。
- 戦略を立案し、予期せぬ問題を回避する。
行うべき操作は、(顧客の声分析設定で使用しているかどうかにかかわらず)レビューを保存しているタブを関連付けし、レビュー対象の項目を選択するだけです。これにより、顧客の声分析ではこれらの匿名レビューを含むインサイトを表示できるようになります。
以上が、顧客の声分析で匿名レビューを取得するために必要なすべてです。

参考情報