今回ブループリント機能にアップデートがあり、並行遷移や複数の遷移が設定できるようになりました。
ブループリントは、ユーザーに必要な処理を実行させ、ビジネスプロセスの各段階で定義した条件をチェックすることで、ビジネスの合理化を助けます。ブループリントの設定では、状態と状態をつなぎ合わせる形で遷移を設定します。これらを通じて、業務の流れを整理し、いつ、誰が、何を行う必要があるかを明確化できます。
しかし、実際のビジネスシナリオでは、2つの状態の間に発生する遷移やプロセスが1つだけとは限りません。
このような場合に並行遷移の機能が役立ちます。
並行遷移
並行遷移機能が追加されたことで、2つの状態間で複数のプロセスや遷移が必要なビジネスも対応できるようになりました。
例えば、銀行業務のシナリオでは、銀行の役員は、顧客の本人確認手続きを承認する前に、顧客の身分証明書、顔、生体認証、および住所証明となる公共料金の請求書などのその他の必要書類を確認する必要があるとします。
上記事項の確認は、必ずしも段階的に、あるいは同じ役員によって行われる必要はありません。各書類の確認は完了までの期間も違えば、確認方法も異なる場合があります。そこで、このようなシナリオの場合には、承認済みと本人確認手続き済みという2つの状態の間に、並列遷移を設定し、4つのサブ遷移を追加することで、対応できるようになりました。
異なる遷移に異なるユーザーまたは役職を割り当て、各必要情報の確認を実行させることができます。すべての確認作業が完了すると、ブループリント機能によって、本人確認手続きは自動的に承認されます。
複数の遷移
ある状態から複数の遷移を作成して次の状態に遷移するのには、並行遷移以外にも方法があります。
以下では、その複数の遷移に関する方法と例を説明します。
方法1:通常の遷移の組み合わせ
見込み客への連絡を例に説明します。担当者は、メール、電話、チャットの3つの方法で見込み客に連絡するとします。この3つの方法をそれぞれ別々の通常の遷移として作成します。図の例では、担当者はどの方法で見込み客に連絡しても、その方法に対応する遷移を完了すると、状態が、[なし](None)から[連絡済み](Contacted)に変わります(これに対して、並行遷移では、すべての遷移を完了した場合にのみ次の状態に変わります)。このように、いずれか1つの遷移を完了すれば次の状態に遷移(移動)する場合に、この方法が適しています。
方法2:通常の遷移と並行遷移の組み合わせ
自動車保険会社の保険金処理の業務を例に挙げてみます。
顧客から事故に対する車両保険の適用請求があった場合、承認処理の前に保険の調査員(鑑定人)による確認が必要です。調査員による確認には、損傷した車両の写真や動画を関連書類と一緒にオンラインで確認する方法と、損傷した車両を直接現場で確認(オフラインで確認)する方法と2通りあります。そこで、オンライン確認用の遷移と、オフライン確認(現場確認)用の遷移をそれぞれ作成します。
オフライン確認用の遷移の場合、現場確認という1つの作業を完了すれば、状態が次に移動します。オンライン確認用の遷移の場合、写真や動画の確認と、関連書類の確認という2つの作業が両方とも必要なため、並行遷移でそれらをサブ遷移として作成します。これら2つの作業には優先順位はありませんが、両方とも完了することではじめて、次の状態に進むことができます。このようにすることで、[保険金請求]という状態から[承認済み]という状態に進む業務の流れにおいて、オフライン確認用という通常の遷移と、オンライン確認用という並行遷移を組み合わせ、必要に応じて使い分けることができます。
遷移の並べ替え
並行遷移では、サブ遷移の順番を並べ替えることができます。並行遷移においてメインの遷移にカーソルを合わせると表示される並べ替えアイコンから遷移の順番を変更することが可能です。
このアップデートは、すべてのデータセンターのユーザーに対し適用されています。
参考情報