こちらの機能は、エンタープライズプラン以上のCRM組織に順次適用予定です。
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今回、Zoho CRMにて、独自ドメインの関連付けができるようになりました。以下詳細をご紹介いたします。
なぜ独自ドメインが必要なのか
特定のブランド名でビジネスを展開しながらも、様々なベンダーのサードパーティサービスを使用して業務を行っている場合、マーケティングや信頼性の観点から問題となることがあります。
たとえば、例えば、Zylker Travelsが自社のウェブサイト( www.zylkertravels.com )でサービスを提供していますが、営業と顧客ポータルの最適化のために、別のベンダーのサービス(例:Zoho CRM)を使用しているとします。 この場合、Zylkerのウェブサイト、ブログ、ニュースレターはすべて「ZylkerTravels.com」で運営されていますが、顧客や旅行代理店が旅行の申し込みに関するフォローアップのために、ポータルサイトにログインしようとすると、「Zoho」という異なるサードパーティのポータルにリダイレクトされます。
これにより、
- 内部利用の観点では、社内ユーザーがブランドを身近に感じられず、サービスの使用率に影響を及ぼす可能性があります。
- 顧客の視点では、他ブランドのポータルサイトに誘導されることで、別の組織によって運営されている外部サイトにアクセスしているような印象を受け、信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
このような問題を解消するため、Zoho CRMでは「独自ドメイン」機能を導入しました。
この機能により、Zoho CRMシステムによる効率性を、自社のブランド名でパッケージ化し、提供することができます。
独自ドメイン関連付けの例
独自ドメインを関連付けると、 以下のようなメリットがあります。
- CRMシステムに自社の組織、ブランドやサービスの名前を反映できる
- CRMの社内ユーザーやポータルサイトの利用者(顧客)に安心感や親しみを持ってサービスを利用してもらうことができる
- 自社に対する顧客からの印象や信頼度を向上させることができる
ここでは、独自ドメインの関連付けが、旅行、医療、教育など、さまざまな業界の組織にどのように役立つかを簡単に紹介します。
Zoho CRMにおける独自ドメインの関連付け方法
Zoho CRMでの独自ドメインの関連付けは、以下の3手順で実施します。
手順1:設定対象の選択
設定>一般>組織情報>ドメインの関連付けへ移動し、独自ドメインの設定対象(アカウント)を選択します。
ドメインの関連付けは、本番環境、テスト環境(サンドボックス)、顧客ポータルで利用可能です。
手順2:ドメインの追加
組織で利用している独自のドメインをZoho CRMに関連付けるための設定を行います。
ここでは、Zoho CRMと利用中のドメイン管理サイトを行き来しながら設定を行う必要があります。設定は、以下の2段階で行います。
- 設定1:ドメイン管理サイトでCNAMEレコードを追加する
- 設定2:Zoho CRMでドメインのURLを指定する
順番としては、設定1が完了してから設定2を行うようにします。
設定1:ドメイン管理サイトでCNAMEレコードを追加する
1つ目の設定では、利用中のドメイン管理サイトで、Zoho CRMと独自ドメインの関連付けを行います。
なお、CNAMEレコードを追加する際には、サブドメインを設定する必要があります(例:URLが「sales.zylkertravels.com」の場合、サブドメインは「sales」です)。
CNAMEレコードを追加するには、利用中のドメイン管理サイトに移動し、以下の操作を実行します。
- レコードの追加画面に移動し、追加するレコードの種類として「CNAME」を選択します。
- ホスト名の入力欄に、使用したいサブドメインを入力します。
- レコードの値の入力欄に、「crm.cs.zohohost.com」を入力します。
- 設定内容を保存します。
設定2:ドメインのURLを指定する
Zoho CRMのドメインの追加画面で、ドメインのURLを指定します。URLは、「<サブドメイン>.<ドメイン>.com」の形式で指定する必要があります。
たとえば、「sales.zylker.com」の場合、サブドメインは「sales」、親ドメインは「zylker」です。このように、URLは、CNAMEレコードを追加する際に指定したサブドメインを含む形式で、指定する必要があります。
留意点
ドメイン管理サイトでCNAMEレコードを追加/更新してから、サーバーに変更内容が反映されるまでには、一定の時間がかかります(実際にどれくらいの時間がかかるかは利用中のドメイン管理サービスや状況によって異なります)。
変更が反映されるまでは、Zoho CRMで、ドメイン名が無効であるというエラーが表示されます。これは、Zoho CRM側では、変更がDNSサーバーに反映されるタイミングを把握することができないためです。
そのため、1つ目の設定(ドメイン管理サイトでCNAMEレコードを追加)を完了してから、2つ目の設定(Zoho CRMでドメインのURLを追加)を開始できるようになるまでには、一定の時間を要することにご留意ください。
手順3:TXTレコードの追加と認証
Zoho CRMに組織のドメインを追加したら、ドメイン管理サイトでTXTレコードを追加し、Zoho CRM側から認証を行います。ここでは、以下の2段階の設定を順番に実行する必要があります。
設定1:ドメイン管理サイトにTXTレコードの名前と値を追加する
設定2:Zoho CRMの画面で認証を行う
設定1:ドメイン管理サイトにTXTレコードの名前と値を追加する
ドメイン管理サイトに移動し、以下の操作を実行します。
- レコードの追加画面に移動し、追加するレコードの種類として[TXT](テキスト)を選択します。
- ホスト名の欄に、CRMからコピーした値を貼り付け、TTLを「3600」に設定します。
- TXTの値の入力欄に「crm.cs.zohohost.com」と入力し、追加ボタンをクリックします。
設定2:Zoho CRMの画面で認証を行う
ドメイン管理サイトでTXTレコードを追加したら、Zoho CRMのドメインの設定画面に戻り、「認証する」をクリックします。
認証ボタンをクリックすると、ドメインの所有者の認証が開始されます。認証が完了すると、ZohoからSSL証明書が発行され、設定が完了します。証明書は、認証が完了してから3営業日以内に発行されます。
SSL証明書が発行されると、Zoho CRMで独自ドメインが有効になります。
ドメインの状態は、設定>一般>組織情報>ドメインの関連付け画面にて、確認できます。
- 利用できるプラン: 独自ドメインを関連付ける機能は、Zoho CRMのエンタープライズプランとアルティメットプランでのみ利用可能です。現時点では、Zoho CRM PlusやZoho Oneでは利用できません。
- 独自ドメインの設定上限 :独自ドメインは、本番環境、テスト環境(サンドボックス)、ポータルのそれぞれに対して最大で3件まで設定できます。ただし、1度に有効にできるのは、各対象につき1件のみです。
- 独自ドメインを設定可能なユーザー: 独自ドメインを設定できるのは、Zoho CRMの管理者と特権管理者の権限を持つユーザーのみです。なお、設定はZoho CRMの本番環境においてのみ可能です。
参考情報