こちらの機能は、エンタープライズプラン以上のCRM組織に適用されています。
今回「集計」機能がリリースされました。以下詳細をご紹介いたします。
CRMは、データソースがうまく接続された広大なデータベースであり、一箇所から主情報と関連情報の両方にアクセスすることができます。
例えば、見込み客タブについて考えてみましょう。見込み客のデータには、見込み客に関する情報、その活動、その他次のアクションを決定するのに十分な関連情報が含まれています。このような関連付けは、データにアクセスするための基礎となります。
しかし、効果的なデータ管理を行う場合、単なる関連付けだけでは十分ではありません。親データと関連データの間に相互運用可能なデータ関係と呼ばれるものが必要です。CRMにおいては、関連リストの値を親データ情報自体に関連付ける機能が、集計機能の前提となっています。
集計機能について
集計項目では、任意の関連リストからの値を、要約または集計できます。適応性が高く、多用途に利用できます。関連リストから集計する項目を選択するだけで、集計項目では値の集計を開始します。
以下、集計機能が役立つ例をいくつかご紹介します。
例1:取引先ごとの集計売上高
CRMの取引先タブでは、見込み客や顧客に関するビジネス情報を有しています。また、連絡先、商談、見積書、請求書、その他の情報を関連リストとして表示しています。
以前は、売買契約の締結前に、取引先を評価するため、営業担当者はレポートを作成し、値を個別に集計する必要がありました。
集計項目をタブ内に追加すると、その取引先で作成された請求書の合計額を自動で取得することができます。これにより、レポートを作成するために費やした多くの時間と労力を削減できます。また、集計項目が追加されると、そのレイアウトのすべてのデータで利用できるようになります。
集計項目での計算値を使用して、レビュープロセスの作成などの自動化処理を作成することができます。
例2:未処理の商談に対するアクションを起こす
未処理の商談とは、何のアクションも行っていない商談を指します。このような商談は、停滞するだけでなく、ビジネスにとっても不利な状況になります。しかし、日々多くの商談が発生するエンタープライズビジネスでは、手動で未処理の商談を特定し、フォローアップすることは、機会損失となりかねません。未処理の商談を確認するため、連絡先タブに未処理の商談の件数を表示する集計項目を作成することで、素早くフォローアップや自動化処理を行うことができます。
例3:期限切れのタスクを確認する
タスクは、行動を計画するのに役立つ方法であり、リマインダーとしても機能します。Zoho CRMでは、タスクを追加すると、「未完了の活動」関連リストに追加されます。タスクが完了するまでは、そのタスクは「完了した活動」に移動することはありません。
しかし、何らかの要因により、担当者が期限内にタスクを完了できなかった場合、そのタスクは「未完了の活動」に残ったままになるので、タスクに完了期限がまだ残っているような印象を与えることになります。営業マネージャーとして、そのような期限切れのタスクを把握しておきたいと思うかもしれません。
そこで、集計項目が役に立ちます。集計値は、集計項目内で表示されるため、それをタブのデータ一覧画面の表示項目列として使用したり、集計項目内に値が入力されているデータをフィルタリングすることができます。
集計項目をレイアウトに追加すると、データの詳細ページ内で読み取り専用項目として値が表示されます。
留意点
- 現在、集計項目の設定にて、標準の集計項目として設定できるのは、各タブでデフォルトの関連リストの一部の項目のみです。
- 集計項目は、タスク、通話、予定、および予約タブを除くすべてのタブで使用できます。
- 集計項目は、エンタープライズプラン以上のプランでのみ利用可能です。タブごとに、エンタープライズプランでは最大10件、アルティメットプランでは最大15件の集計項目を作成することができます。