
今回ご紹介する機能アップデートは、すべてのデータセンターに適用されています。
Zoho CRMの承認プロセスに、新たな機能強化が加わりました。このアップデートにより、データ承認の柔軟性、透明性、コントロール性が向上し、正しいデータがCRMシステムに入力されるようになります。
アップデート内容は、以下の通りです。
- 承認中のデータを編集可能:承認待ちのデータを編集できるようになり、正確性や最新情報であるかどうかを確認してから最終承認できるようになりました。さらに、プロセス管理者を選択してデータを承認できるようになり、監視の階層が増えました。
- 役職またはグループ承認の柔軟性:データを承認する役職またはグループを選択することで、グループ内の任意のユーザーまたはグループ内のすべてのユーザーが承認するオプションが追加されました。[いずれかの承認者]に設定すると、グループ内のどのユーザーでもデータを承認できます。[すべての承認者]に設定すると、グループ内のすべてのユーザーからの承認が必要になります。
- 階層承認オプション:組織で [直属の上司による階層]が選択されているとき、ユーザーに直属の上司がいない場合に、階層内の上位のユーザーの[いずれかの承認者]または[すべての承認者]がデータを承認するよう指定できるようになりました。この柔軟な設定により、承認フローを組織の階層により正確に合わせることができます。
この3点について、より詳しくご紹介していきます。
承認待ちのデータの編集、およびプロセス管理者の選択
以前は、承認プロセスで承認のために申請されている編集することはできませんでした。
現在は、承認待ちのデータを編集できます。これにより、承認プロセス中もデータの正確性が維持されます。重要な詳細情報の更新、エラーの修正、新しい情報の追加などを行い、最終承認前にもデータを最新の状態に保つことができ、最終データに最も正確で最新のデータが反映されるようになります。この機能により、チームの作業がよりスムーズになり、データのロックによる問題が減少します。これにより、承認プロセスを中断せずに、品質と完全性を確保できます。
また、承認プロセスのデータを監督・承認するプロセス管理者を割り当て、より高度な監督と管理を行うこともできます。この機能は、特に大規模なチームや複雑なプロセスにとって有益であり、特定の個人への依存を減らし、チームの柔軟性を高め、アクセス制限が原因で承認が遅れることがないようにします。これらのプロセス管理者は、必要に応じて承認待ちのデータを編集することもできます。
プロセス管理者が設定されていない場合は、管理者権限を持つすべてのユーザーが、承認のために申請されたデータを引き継ぐことができます。
一方、プロセス管理者が設定されている場合、プロセス管理者として選択されたユーザーのみが、承認のために申請されたデータを引き継ぐことができます。
承認プロセスでは、組織内の異なる役職またはグループから、データを承認するユーザーを選択できます。これまでは、データを承認するユーザーとして役職またはグループのユーザーを選択すると、いずれかの承認者がデータを承認すれば次のステージに進むことができました。
しかし現在では、グループ内、または同じ役職内のすべてのユーザーがデータを承認できるオプションが追加されています。
たとえば、ある組織には、CEOが1人、マネージャーが5人、エグゼクティブが10人いるとします。さらに、さまざまな役職のユーザーで構成されるグループがあります。データを承認する役職とグループを選択し、承認者の範囲を[すべての承認者]に設定する場合、2つのオプションがあります:
- 特定のウェブサイトから新しい見込み客を追加する場合などは、誰か1名の承認があれば十分なので、[いずれかの承認者]を選択し、素早く次のステップに進めるようにする。
- 品質チェックなど、チーム全体の承認が必要となる場合には、[すべての承認者]を選択し、グループまたは組織内の同じ役職を持つ全員がデータを承認してから次のステップに進めるようにする。
グループまたは役職の全員が、次の段階に進む前にデータを承認しなければならないように承認プロセスを設定することで、品質、コンプライアンス、説明責任を確保することができます。
データ承認を組織の階層に合わせる
設定>一般>組織設定>階層設定 から、組織で使用する階層の種類として、[役職による階層]または[直属の上司による階層]のどちらかを選択できます。この選択は、承認プロセスにも影響します。つまり、すべての既存および新規の承認プロセスは、選択した組織の階層に準拠します。
組織が[直属の上司による階層]の場合、承認プロセスも同じ階層に従います。つまり、データを承認する段階を選択すると、システムは、データを承認するユーザーを[直属の上司による階層]から選択します。
たとえば、あなたの組織に2段階の[直属の上司による階層]があり、[1段階目]を選択した場合、ユーザの直属の上司、またはCEOと管理者がデータを承認する必要があります。一方、[2段階目]を選択した場合、ユーザーの直属の上司の上司がデータを承認する必要があります。
承認に2つ以上の段階があり、承認者の範囲を[すべての承認者]に設定した場合、直属の上司がいないユーザーは、階層内の上位のユーザーの[いずれかの承認者]または[すべての承認者]を選択するか、CEOと管理者から[いずれかの承認者]または[すべての承認者]を選択して、データの承認を得ることができます。
同様に、組織が[役職による階層]の場合、承認プロセスも同じ階層に従います。つまり、データを承認する段階を選択すると、システムは、データを承認するユーザーを[役職による階層]から選択します。
これらの機能強化により、承認管理のコントロールと透明性が向上し、CRMワークフロー全体の正確性と説明責任の維持が簡素化されることが期待されます。