【Zoho CRM】アクセシビリティ向上機能リリースのお知らせ
今回ご紹介する機能アップデートは、すべてのユーザーに適用されています。
ただし、Ziaの音声アシスタント機能のみ、JP(日本)、CN(中国)、SA(サウジアラビア)データセンターには未適用です。(2025年1月13日現在)
私たちはすべての人に力を与えるCRMに向けた旅を開始します。この第一歩により、あらゆる能力を持つより多くのユーザーがZoho CRMで最高の仕事をすることが可能になります。しかし、これはスタートに過ぎません。
誰も排除されることのないインクルーシブなツール、ビジネス、コミュニティの未来に向けて、皆様のサポートとフィードバックを必要としています。最初のアップデートの概要については、こちらの動画をご覧ください。
アクセシビリティとは何でしょうか?なぜZoho CRMでアクセシビリティが重要なのでしょうか?
CRMやその他のビジネスソフトウェアツールは、私たちの仕事生活に深く浸透しており、インターフェイスをナビゲートし、データを分析し、アクションを起こす際に、その使用体験が焦点から外れてしまうことがよくあります。しかし、障害のあるユーザーにとっては、その経験はまったく異なります。
車椅子を使用している人が、物理的な空間を移動する際に独特の課題に直面するように、障害のあるユーザーは、ビジネスソフトウェアツールを障害に満ちた空間として経験することがよくあります。ユーザーインターフェイスは、ナビゲーションを困難にする視覚的要素で混雑していることがよくあります。すべてのクリックとすべてのフォームに注意と努力が要求され、情報はしばしば、誰もが容易に理解できない方法で表示されます。課題はまだまだ続きます。
アクセシビリティがZoho CRMのようなビジネスソフトウェアに組み込まれていない場合、ユーザーが制限なく作業できるようにするどころか、意図せずに障壁を増幅させてしまいます。
アクセシビリティとは、これらの障壁を取り除くことです。アクセシビリティは、すべての人が製品、サービス、デバイス、環境を利用し、その恩恵を受けられるようにするものです。一見小さな変化であっても、多くのユーザーにとって大きな違いをもたらすことがあります。たとえば、
- 特に視覚障害者や高齢者にとって、小さな文字を読むことは困難です。フォントサイズを調整することで、すべての人にとって読みやすさが大幅に向上します。
- 色は、重要な情報を示すためによく使われます。(たとえば、有効なスイッチは緑色、必須項目は赤色など。)このような情報を他の手段(テキスト、アイコンなど)で利用できるようにしておくと、色覚障害のあるユーザーにも役立ちます。
- マウスを使えないユーザーは、代わりにキーボードを使うことが多いです。CRMへのフルキーボードアクセスと、セクションをスキップするオプションを提供することで、すべてのユーザーのナビゲーションを拡大します。
Zoho CRMのアクセシビリティ
Zoho CRMを毎日利用している何百万人ものユーザー、特に障害を持つユーザーにとって、アクセシビリティコントロールは、彼らが能力を発揮するために必要なツールを提供します。 企業が特定の要件に合わせてCRMをカスタマイズできるように、個々のユーザーも18のアクセシビリティコントロールを活用して固有のニーズに対応できます。障害のないユーザーしか使えない「標準的な」CRMに対処する必要はもうありません。独自のニーズに合わせて設定できるCRMで、すべてのタスクを簡単に実行することができます。
アクセシビリティコントロール
アクセシビリティコントロールは、視覚障害や運動障害を持つユーザーや、より高度な認知機能オプションが必要なユーザーをサポートするように設計されています。[設定]>[一般]>[個人設定]>[アクセシビリティ]からアクセスできます。CRM画面下部のツールバーにある「アクセシビリティ」ショートカットを使用して、特定のコントロールにアクセスすることもできます。それぞれのコントロールを見てみましょう。
視覚をサポートする機能
- スクリーンリーダー(画面読み上げソフト):目の不自由なユーザーや視覚障害のあるユーザーは、タスクを完了するためにスクリーンリーダーを利用しています。Zoho CRMは、デフォルトで一般的なスクリーンリーダーをサポートし、より良い理解とナビゲーションを可能にします。また、標準の移動順やARIAランドマークを有効にすることで、ユーザー体験を向上させることができます。
- ズーム:視覚障害のあるユーザーは、詳細な情報を認識するためにインターフェイスの一部をズームする必要があります。Zoho CRMはブラウザのズーム機能をデフォルトでサポートするようになりました。ユーザーはインターフェイスのまとまりを崩すことなく、最大150%までズームすることができます。
- フォントのサイズと間隔の調整:テキストはCRMのインターフェイスにおいて非常に重要であり、ユーザーエクスペリエンスに影響を与えます。文字サイズの好みは様々で、視力の弱い人は大きい文字を好み、視力の高い人は小さい文字を好みます。ユーザーは読みやすいようにフォントサイズを簡単に調整でき、拡大する必要がなくなります。同様に、文字の間隔を調整して、テキストを読みやすくすることもできます。
- カーソルを合わせた際にテキストを拡大する:ほとんどのテキスト要素では問題がなくても、特定のテキスト要素では問題に直面することがあります。そのような場合、ユーザーはこのオプションを使ってオンデマンドで拡大することができます。altキー(Windows)またはoptionキー(Mac)を押すだけで、読みにくいテキスト要素を拡大表示できます。
- 動作管理:アニメーションはインターフェイスの魅力を高めることができますが、ユーザーにとっては、特に長時間使用すると、気が散って不快になることもあります。実際、過度のアニメーションは、前庭障害のある人にめまいや吐き気を誘発することさえあります。そのため、ユーザーにはアニメーションを減らすオプションが用意され、目に優しく、気を散らすことのない体験ができるようになりました。
- 切り替えラベル:切り替えスイッチは一般的に、有効であることを示す緑色など、その状態を示す色を使っています。これは、色覚障害のあるユーザーにとって障壁となる可能性があります。このオプションを有効にすると、下図のようにZoho CRMのスイッチの状態を素早く判断することができます。
- 無効ボタンの打ち消し線:無効ボタンは切り替えスイッチのように灰色で表示されますが、色覚障害のあるユーザーには区別が難しい場合があります。打ち消し線を有効にすると、下の例のように、ユーザーがこれらのボタンを識別しやすくなります。
- フォームの表示方法(必須項目のみ/すべての項目):フォームへの入力は、ズームイン、スクロール、および項目間の移動が必要となるため、障害のあるユーザーにとっては困難な場合があります。このモードを使用すると、フォームを必須項目のみに絞って入力し、次のタスクに移ることができます。
- 必須項目の表示:データを保存するために、ユーザーはしばしば必須項目を扱わなければなりません。しかし、これは色覚に障害のある人にとっては問題となる可能性があります。アスタリスクや「必須」ラベルで表示するなど、必須項目の表示をパーソナライズできるようになりました。
- 独自のエラーメッセージの表示:特にエラーメッセージに関しては、色覚障害のあるユーザーにとってフォーム入力時に問題となることがあります。エラーメッセージは通常赤色で表示されますが、色覚障害のあるユーザーには見えにくい場合があります。この問題に対処するため、ユーザーはより利用しやすい色を選択できるようになり、さらに識別しやすいようにエラーアイコンを含めることもできるようになりました。
- 通知を受信した際に画面を明るくする:Zoho CRMでは通知を見逃しやすい場合があります。たとえば、弱視のユーザーがズームイン表示で作業している場合、通知シグナルが見えないことがあります。このような場合、このオプションを有効にすると、通知を受信したときに画面が2回点滅します。
- ARIAランドマーク:弱視でないユーザであれば、インターフェイスの構造を一目で認識し、目的のセクションに直接ナビゲートすることができますが、スクリーンリーダーのような支援技術を使ってZoho CRMにアクセスするユーザーにとっては、必ずしもそうではありません。インターフェイスを簡単に認識し、ナビゲートするために、ARIAランドマークを有効にすることができます。これにより、ページをすばやく理解し、作業に必要なセクションにスキップすることができます。
運動機能をサポートする機能
- キーボードショートカット:障害の有無にかかわらず、多くのユーザーは、キーボードを使ってCRMをナビゲートし、アクションを実行することを好みます。このようなユーザーは、頻繁に実行するアクションのキーボードショートカットを作成して使用することができます。このオプションはすでにリリースされていましたが、今回アクセシビリティ設定セクションに移動しました。
- Ziaの音声アシスタント:マウスやキーボードを使えないユーザーもいます。たとえば、重度の運動障害を持つユーザーです。そのようなユーザーに対し、Zoho CRMの操作やタスクの完了をサポートするために、内蔵のZiaの音声アシスタントを提供しています。現在のところ、英語の音声コマンドにのみ対応しています。※この機能に関しては、JP(日本)、CN(中国)、SA(サウジアラビア)データセンターには未適用です。(2025年1月13日現在)
認知機能をサポートする機能
- 集中表示:CRMのインターフェイスは、オールインワンでビューを表示するように情報が詰め込まれていることが多いですが、気が散りやすいユーザーにとっては圧倒されることがあります。集中表示は、気が散るものを遮断し、カーソル周辺だけに集中することを可能にします。
- リンクの下線:リンクはZoho CRMをナビゲートする上で重要ですが、通常のテキストと区別することが不可欠です。これらは色によって区別されていることも多いですが、色覚障害のあるユーザーにとっては問題となる場合があります。このような場合、リンクに下線を引くことで簡単に識別することができます。
- 標準の移動順:スクリーンリーダーとキーボードを使ってCRMをナビゲートするユーザーのために、このオプションは、ナビゲーションが最初の要素から始まり、一貫したパターンで(上から下、左から右に、要素をスキップすることなく)進むようにします。
WCAG 2.2 AA Level準拠の達成:包括的アクセシビリティへの大きな一歩
Web・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(WCAG)は、Webアクセシビリティを強化するために設計された、世界的に認められた推奨事項の枠組みです。
注:以下の機能については、現在、ホーム画面、データ一覧、データの作成/編集/複製画面(標準)、データの詳細ページ(標準)でのみ利用できます。
- スクリーンリーダー
- ズーム
- 独自のエラーメッセージの表示
- ARIAランドマーク
- 標準の移動順
また、以下の機能については、現在、データの作成/編集/複製画面(標準)、データの詳細ページ(標準)でのみ利用できます。
- フォームの表示方法
- 必須項目の表示(必須項目のみ/すべての項目)
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